不妊治療は双子が生まれやすいのでしょうか?

「不妊治療は双子が生まれやすい」そういった話を聞いたことがある方も多いと思います。実際に子供の出生率は下がっているのもかかわらず、双子の出生率は増加しているという現実には不妊治療が関係しているといわれています。

現在病院では、双子(多胎)のリスクを避けるために配慮して治療が行われています。

双子妊娠はうれしさ2倍の反面リスクもあることを知っておく
双子妊娠はうれしさ2倍の反面リスクもあることを知っておく

 

不妊治療で双子以上(多胎妊娠)が増える理由

  • 排卵誘発剤による一度の排卵数の増加
  • 体外受精や顕微授精時に子宮に戻す卵子を複数個戻すため
  • 体外受精で胚盤胞まで培養するため

排卵誘発剤の使用のため

卵胞を育てるように促したり、排卵を促進したりする役割があるので、通常1つ排卵するものが複数の卵胞を排卵してしまう可能性があります。

内服の排卵誘発剤での妊娠で約5%注射だと◎約20%の確率で双子が生まれるという結果が出ています。大きく内服と注射で確率が違うのは排卵誘発剤としての効果が注射の方が高いからでしょう。

体外受精や顕微授精時の子宮に戻す卵子を複数個戻すため

胚盤胞まで体外で培養し、それを一個戻すというやり方が増えていってはいます。

胚盤胞までいく受精卵は質の良いものと考えられるので着床する確率も高いはずですが、それでも妊娠しない場合や高齢で急がなくてはいけない場合は、確率を上げるために2個もしくは3個戻す場合もあります。

そして、しばしば多胎が起きてきます。

 

双子以上(多胎)は母子ともにリスクとなる

想像以上にリスクがあるのが多胎妊娠です。なるべくドクターは不妊治療にあたり多胎を防ぐということを考えます。

  • 妊娠中毒症や妊娠合併症の起きる確率があがる
  • 早産のリスク
  • 低体重児になる可能性が上がるリスク
  • 出産後の双子以上の身体的・精神的負担が大きいこと
  • 経済的な負担

矛盾を抱える不妊治療

病院やドクターの側は「妊娠率を少しでも上げていきたい」という思いと「リスクや負担を増やす多胎をなるべく防ぎたい」という思いを両方持って治療にあたられていると思います。

多胎を防ぐさまざまな取り組みも試されていたりします。不妊治療を受ける上でのリスクに関しては知っておくべきことですね。

 

まとめ

基本的に日本のガイドラインでは子宮に戻す受精卵は原則一個だけという事になっていますが、効率や時間的なリスクを考えた時に必ずしもそうとは言えないかもしれません。

本来子宮は1人の子供を身ごもるようになっており、一人の子供を産むだけでも大変な気力や体力が必要です。双子以上ならなおさらですよね。不妊治療に頑張っている夫婦や、現在多胎妊娠をしている妊婦さん、双子や三つ子のママをぜひぜひ応援していきたいと思います。

多胎を防ぐためにも妊娠しやすいカラダ作りが必要なのです

なるべく自然に近い形での妊娠が双子(多胎)を防ぐことができそうです。不妊治療中であっても自然妊娠を常に望みたいですよね。不妊治療の妊娠率を上げるため、またはその結果双子(多胎)であったとしても母子ともに元気に出産できるようなカラダ作りのために。妊娠がゴールではなくて、スタートという事を考えると出産するまでが一区切りです。そしてその後も双子なら通常の倍の楽しみと同時に倍の負担もあるでしょう。懸命に頑張るママを応援したいと思っております。