不妊治療で使う「ストレス減・自己注射」の2つは、痛さの次元が違います

自己注射、すなわち自分で注射を打つ。。。通常そんな経験はほとんどないでしょう。「むずかしそう」「怖い」「痛そう」いろんな不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

ただ不妊治療において毎日の通院が必要になってくる場合、働く女性にとっては仕事との両立での問題をまず考えてしまうもの。もちろん仕事だけでなく不妊治療での頻回に通院するというだけでもストレスがたまりやすいですよね。

実際どーなの?自己注射
実際どーなの?自己注射

 

そんな通院のストレスを減らすために自己注射があります。

不妊治療において排卵機能を薬でサポートするための排卵誘発剤という薬を頻繁に使うのですが、そうなった場合クリニックで打つか自分で打つか(自己注射)を病院にもよりますが選択できるのです。

自己注射の種類は以下の二つあります
皮下注射
筋肉注射
皮下注射(ペン型)
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針が細く薬液が少ないため痛みが少ない(ジネコからの画像)

メリット
・痛みがほとんどない
・安全性が高い
・簡単

デメリット
・高価
・卵子の数は取れない

筋肉注射(シリンジ型もしくは通院)
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よく見るシリンジ型

メリット
・安価
・卵子の数は取れる

デメリット
・筋肉注射で痛みがつらい
・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりやすい

従来の採卵数を優先する筋肉注射、一個の卵子を大事に育てる自己注射といった言い方もできると思います。

さらに高齢出産が今後も増加していく(年齢による卵子の老化がさけられない)時代背景を考えると、卵子数を優先し卵子の質が下がる可能性がある筋肉注射より卵子一個の質にこだわれる自己注射の必要が出てくると考えられます。

これからそういう状況は増えていくと予想できます。

 

自己注射はストレスを大幅に軽減できる

仕事か不妊治療かどちらかの選択肢しかないといった事を迫られる「時間を拘束される」負担を軽くできます。

注射のための通院で一日がつぶれてしまう事もあるという事を考えると、頻繁に通院する必要がなくなり病院の待ち時間の短縮にもつながります。

どうしても通院の必要がある場合の患者さんにとってもメリットがあるという事ですね。

 

安全性は非常に高い

安全性は投与量も医師が調整しますし、副作用の心配(卵巣が腫れるなど)も自己注射だからといって特に心配するといったことはないようです。

 

特にペン型自己注射は思った以上に簡単

ペン型と呼ばれる自己注射を使用した場合651人にアンケートを取ったところ、約80%が「非常に簡単だった」と答えている。

また多くの人が「痛みが少ない」と答えている。約95%の人が「他の患者さんにも薦めたい」というアンケート結果がでています(日本生殖補助医療標準化機関認定施設によるアンケートより)

 

今後普及されていく自己注射

不妊治療において一般的に卵胞を発育させるために卵巣を刺激する注射が必要となってくる場合が多いです。

今までは通院での注射がメインでしたが、その通院のためのストレスが非常に大きいとみなさん感じられているようです。

そういった痛みや通院の患者の負担を減らすために自己注射は今後増えていくことが予想されます。

また海外の結果や実際実施してみてのアンケート結果より、きちんと指導を受ければ簡単で安全だということはわかっています。

不妊治療で体調を壊すことのないように、特に高齢出産を望む方には知っておいてほしいと思います。

一番大事なのは、これから妊娠されるあなたの体ですからね。

漢方も自己注射もストレスへの取り組みです

ホルモンバランスを乱すものとして、大きいものに「ストレス」が挙げられます。ストレスは視床下部にダメージを与えホルモンのバランスをとる脳下垂体に影響を与えます。妊娠する力を失わせる「ストレス」の事を積極的に考えていくことが不妊治療をする上でも、その効果を上げる妊活の上でも大事になってきます。漢方で気のめぐりを良くしたり、からだを温めたり、カウンセリングを受けたりすることはストレスからカラダを守るうえで重要で、卵子や精子の成長や質に関わってきます。不妊治療やめたら妊娠したなどとよく巷で言われることもストレスと無関係ではありません。ぜひご相談くださいませ。