赤ちゃんのノロウイルス(感染性胃腸炎)感染の対処法

冬に流行しやすい(傾向として流行ピークは12月~1月)感染症としてノロウイルスによる感染性胃腸炎があります。「胃腸のかぜ」と言われたりして大人から子供まで嘔吐や下痢などの吐き下しの症状が非常に強く出ます。

赤ちゃんもママも気をつけたいノロウイルス
赤ちゃんもママも気をつけたいノロウイルス

 

ノロウイルスの特徴は赤ちゃんにとって脅威です

  • 強力な感染力(インフルエンザよりも罹りやすい)
  • 飛沫感染する(主に嘔吐物や排泄物が感染源となる)
  • 何度でも発症する(免疫抗体が長く続かない)
  • 一般的な手洗いや消毒が効きにくい(石鹸や水洗い、消毒用エタノールにも強い耐性あり)

赤ちゃんは特に感染しやすく危険なノロウイルス

通常のウイルス対策が効きづらい(手洗いや石鹸など)ノロウイルスですが、特に赤ちゃんにとって感染しやすいく危険だという事が言われています。

  • 赤ちゃんは・・・
  • 手指をなめる(ノロウイルスはほとんど経口感染)
  • 免疫力が低い(ノロウイルスは感染力が強い)
  • 脱水を起こしやすい(嘔吐や下痢で脱水症状になりやすい)

以上の特徴からノロウイルスにとって赤ちゃんは格好の感染しやすいターゲットだという事がわかります。
そして危険な状況(脱水症状)も起こりやすいのです。

 

ノロウイルスは大人と子供では症状の出かたが違う

赤ちゃんや子供では嘔吐の症状が強く出る傾向があるようです。大人は下痢症状が多いようです。嘔吐・下痢が一日に数回から十回以上の場合まであります。ただ大人では1~3日ほどの症状が治まり、重症化することはほとんどないとされていますが、乳幼児は体力がないので注意が必要です。

 

キスでの感染はあまり高くない

ノロウイルスの潜伏期間が1~2日(24~48時間)程度あるので、発症前のキスでの感染を恋人同士だけでなく我が子とのキスを心配するお話を良く聞きますが、キスでの感染はあまり高くありません唾液は実は殺菌力が高いのでノロウイルスがずっと口中にいることはあまり考えられません。基本的にノロウイルスは胃腸内にいるので嘔吐物や排泄物には注意が必要です。肛門周囲でノロウイルスが高確率でいたりするのでお風呂での感染は特に注意しましょう。

 

赤ちゃんに感染した場合に親が気をつけることは「脱水」と「感染拡大」を防ぐこと

ノロウイルスは抗ウイルス薬はないため、排泄物と共にウイルスが体外に出てしまうまで水分と電解質のバランスを保ちながら脱水を防ぎ、次の感染者を出さないことにつきます。

  • 赤ちゃんの脱水症状として
  • ・落ち着きがない
  • ・皮膚や唇の乾燥
  • ・涙の量の減少
  • ・不機嫌であやしても泣き止まない

以上のことがあげられます。

 

脱水症状は命にかかわります

脱水症状を防ぐために、薄めのミルクや麦茶などをこまめにあげて水分補給をしましょう。一度にたくさんあげるとまた吐いてしまうので、少しずつです。その後は便の状態をみながら食事を与えていきましょう。脱水さえなければ自然に治ります。

ただ感染拡大の危険性は症状がおちついても3週間ほどは、赤ちゃんのうんちにノロウイルスが排出されます。おむつの交換時には十分気をつけてください。非常に有効とは言えませんが、手洗いうがいはなるべくしておきましょう。またノロウイルスは枕や衣類の表面でも数週間は生存することがわかっています。
寝具や衣類は家族全員しっかり洗いなおして家庭内の感染を防いでいきましょう。

ママがノロウイルスに罹っても母乳はあげてください

よく聞かれる質問ですが、ママがノロウイルスになった場合母乳はあげてもいいです。母乳から感染することはありません。むしろ母乳を飲むことが免疫物質が含まれているのでノロウイルス感染を防ぐことになります。ただ基本は予防が重要です。感染症の時期で特に小さいお子さんがいる場合、免疫力を高めて感染しないようにしておきましょう。ご相談くださいませ。