不妊治療に漢方薬を合わせると妊娠しやすくなりますか?

不妊治療と並行して、妊娠しやすいカラダ作りをつくるために漢方薬は適しています。漢方薬と馴染みがない方もなるべくわかりやく、簡単ですが紹介していきたいと思います。

漢方を不妊治療や妊活に取り入れよう!
漢方を不妊治療や妊活に取り入れよう!

 

妊娠するという【本能】を引き出す漢方薬

女性にとって妊娠するということは、体に備わった「本能」とも呼べるものです。ただ、現在はさまざまなことでその本能が発揮できない状況に追い込まれていることが多いのです。

妊娠という本能を乱してしまう3つの要因

  • 加齢
  • 冷え
  • ストレス

50年前の日本人と比べても明らかに晩婚化も手伝って、妊娠したいと思った時期に上記の項目の3つ、加齢・冷え・ストレスの負担が増えているのが現状ではないでしょうか。

それが基本的に体に備わっている妊娠するという本能の力も落としていっています。加齢・冷え・ストレスのそれぞれ漢方薬で対応できる事があるのでご紹介いたします。

 

加齢

漢方はそもそも何千年も前から究極のアンチエイジングを考えてきた学問です。何か病気になってから対処する西洋医学とは逆の発想で、そもそも病気にならないようにより元気に年齢を重ねていけるように考え抜かれた学問です。

ですので年齢による体の機能はもちろん卵巣の衰えを防ぐような考え方や漢方薬に数多くあります。

不妊症に良く使われる加齢に対する漢方薬
鹿茸大補湯(ろうじょうだいほとう)
http://k-suisinkai.jp/recommend/4987045196454/index.html/

漢方では植物の葉や根だけでなく、気血精(きけつせい)を補う力を漢方薬で出そうとするときには【動物生薬】を使用します。この場合は鹿の角である鹿茸(ろくじょう)を使用している漢方薬です。体を温めて造血する力が強く冷えを良くし卵巣を元気にする事が期待できます。

冷え

漢方では寒熱(かんねつ)の考え方が中心にあり、冷えを機能低下の指標として非常に重要視しています。西洋医学において冷えは対処の方法は少ないのです(そもそも西洋医学には冷えを治そうという考え方はありません)。

冷えはホルモンバランスを崩し老化をはやめます。温活(おんかつ)という言葉もあるように漢方では温めることにより、ホルモンのバランスを良くすることができます。
不妊症に良く使われる冷えに対する漢方薬
芎帰調血第一加減(きゅうきちょうけつだいいちかげん)
http://www.kotaro.co.jp/kampo/explain/kyukichoketsuin-exp.html/

温めながら血液の流れをよくしていく漢方薬です。特にストレスの関与もある冷えや血行不良によく使用します。生理痛や排卵痛も使用目標になります。

ストレス

体と心を表裏一体として同時に考えて漢方をご提案することがほとんどです。ストレスは気の流れを止め、自律神経やホルモンバランスを乱し、免疫力も低下するなどして妊娠するという本能を妨げる大きな理由となります。

漢方は気の流れを良くするという理気剤という種類の漢方薬を使用することによりストレスによる体のダメージから体を守ります。
不妊症に良く使われるストレスに対する漢方薬
加味逍遥散(かみしょうようさん)

http://www.jps-pharm.com/product/item/4987438060768.html/

気を巡らす漢方薬の代表処方です。基本的には生理前のイライラやストレスから体調を崩す方にはよく使用します。血流を良くする漢方薬との併用でよりストレスによるダメージを減らして心身のバランスを整えていきます。

 

漢方薬を合わせて不妊治療の成功率を上げる

以上のように西洋医学では対処しきれないようなことも東洋医学の知恵である漢方を組み合わせることによって、不妊治療(西洋医学)の不足を補うといった事が出来ます。痒いところに手が届くといったイメージでしょうか。

病院で困るのはやはり「質」の問題です。卵子や精子、子宮内膜など自身の能力以上のものはできません。冷えていれば冷えている卵子が、ストレスを感じていればストレスの影響を受けた精子が、高齢であれば高齢な卵子や精子ができるものです。

それに関して対処でき「質」を変えることができるのが漢方薬の良い所ですね。

 

まとめ

不妊治療に漢方薬は体質を選んで選べば、妊娠はもちろん妊娠中や出産、産後までフォローできるカラダ作りを応援できます。

実際には不妊ではなく未妊(みにん)と呼ばれる状態の方が日々のカウンセリングにおいて多く見受けられます。未妊とは「妊娠できる状態ではない」という意味です。

加齢やストレスや冷えによって妊娠できる状態にないので、妊娠するという本能がきちんと働かないといった感じでしょうか。妊娠できるような状態をつくることが、自然妊娠はもちろん不妊治療を行った場合でもその成功率は高まるでしょう。

漢方薬を服用する場合はカウンセリングを受けてくださいね

漢方薬を服用する時には、ぜひカウンセリングを受けてからにしましょう。例えば「冷え」という状態に対して漢方を考えるにしても、ストレスから冷えている場合や体を温める力が弱っている場合など様々な状況が考えられます。もともとの体質や生活スタイルと合わせて漢方薬の構成を考えて提案する必要があり、体質を考えたものでない場合服用しても効果的ではありません。不妊治療中の方も、自然妊娠を狙う方もぜひカウンセリングを受けて提案を聞いてみてくださいね。