「積極的な妊娠できる年齢」は40代前半まで

卵子提供などの方法も最近はメディアでもとりあげられており、例えば閉経したとしても妊娠が可能となってきました。ただまだ一般的とは言えない状況でさらに体外受精などよりも多額の費用もかかってきます。それではまた一部の話の卵子提供ではなく、実際に私たちの妊娠する能力は何歳までが可能性として高いのかをまとめてみました。

「確率」はとりあえずの指標になる
「確率」はとりあえずの指標になる

 

妊娠するのに向いてる年齢「妊娠適齢期」は20~34歳

一般的に妊娠するのに向いている年齢は20~34歳と言われています。35歳くらいから受精卵になれる可能性をもった卵子が急激に減ってきます

それに伴い卵子の質も落ちてきたり、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量も低下するために妊娠を維持する能力も下がってきます

1個の卵子が排卵するのに・・・

20歳で約1000個
30歳で約500個
35歳で約100個
40歳で約10個

20~34歳くらいでは選べる卵子の数か多いために、排卵される卵子の質も良い可能性が高く妊娠率も比較的高い状態を保てています。

ただ35歳以上になると候補となる卵子が少ないのでやはり高齢になればなるほど「質」の充実が重要になってきます。

過去ブログを参考にしてください⇒40代の妊娠確率

過去ブログを参考にしてください⇒不妊相談で病院に行くタイミングを間違わないようにしよう

 

実は男性も35歳から精子の受精能力がダウン

精子は毎日つくられるために、精子自体の老化はないと思っている方もいらっしゃいますが、実際は精子の受精能力という機能面では男性の肉体やホルモン値の老化の影響を受けてレベルが下がってきます。
つまり女性の卵子のように年齢と確実に相関するわけではないですが、精子の老化も存在するという事です。平均値をとると精子の数や運動率も下がってくる35歳から受精能力は下がってくるようです。

  • ①総精子数      35歳から毎年1.71%減少
  • ②総運動精子数    35歳から毎年2.3%減少
  • ③総前進運動精子数  35歳から毎年2.61%減少
  • ④精子濃度      41歳から毎年0.78%減少
  • ⑤正常形態精子数   41歳から毎年0.84%減少
  • ⑥精子運動率     44歳から毎年1.74%減少
  • ⑦精液量       46歳から毎年1.48%減少

 

これは米国生殖医学会雑誌に掲載された記事にあった内容です。
この図考えるとやはり男性も精子の老化のターニングポイントは35歳くらいであろうという見解です。
過去ブログを参考にしてください⇒卵子だけじゃない!精子も老化がする!

過去ブログを参考にしてください⇒男性の妊活十か条

過去ブログを参考にしてください⇒男性不妊治療の質問&まとめ

 

妊娠・出産した最高年齢は70歳

妊娠・出産した世界の例では70歳という高齢での妊娠出産のケースがあるようです。 過去ブログを参考にしてください⇒高齢妊娠・出産できた最高年齢は?
ここで紹介している例は卵子提供ということで妊娠出産されたという事になるでしょう。 ただ肉体は若く妊娠を維持できるような状態だったということは想像できます。
最近ではある不妊専門クリニックで聞いた話では奥様50歳で採卵ができ胚盤胞まで受精卵が成長し妊娠に至った例を聞くことがありました。
その話では46歳から妊娠しやすいカラダづくりを行い、無排卵の状況から排卵の兆候がでるまでに体のコンディションが上がったそうです。そこで採卵し胚盤胞の受精卵が出来て移植、妊娠に至ったそうです。

 

妊娠できた理由はミトコンドリアの活性

最近の不妊治療では細胞のエンジン器官であるミトコンドリアが注目されており「ミトコンドリアの活性」という事がキーワードとなっていますが、この50歳の方の症例も受精卵のミトコンドリアにアプローチできたのが成功のカギだったかもしれません。
ミトコンドリアはショウキT-1(通称たんぽぽ茶)に入っているT-1成分によって賦活できることや、血糖値を上げない低糖質な生活でも活性が上がることなどが分かっています。また血中酸素濃度を上げたり、赤血球を増やしたりする事で全身の細胞に供給される酸素濃度が上がることによってもミトコンドリアの活性が上がる事が考えられています。 この方の妊娠しやすいカラダづくりの中心はミトコンドリアの活性に注目し不妊治療に反応できるカラダをつくっていったという事だと考えられます。

 

卵巣年齢検査よりも卵子の質を重視しましょう

卵子は新しくつくられることはなく、胎児のときから排卵する卵子の数が決まっており排卵を繰り返すたびに卵子は減っていきます。卵巣年齢検査(抗ミュラーホルモン検査)という検査があります。不妊専門クリニックでは最初の不妊検査で測定することが多くなってきました。この検査は残された卵子の数を予測して卵巣年齢をはかります。卵子が減るスピードには個人差が大きく卵巣年齢と実年齢は必ずしもリンクしないということです。
ただここで重要な事は卵巣年齢と卵子の質は全く関係がありません

逆に卵巣年齢が若いからと言って一概に妊娠しやすいとはいえないのです

(ちなみに卵巣年齢検査は予測なのでゼロでも妊娠の可能性はあります。あくまで不妊治療の方針を決める検査だと思ってください)

つまり先ほど紹介した卵巣年齢を測ればおそらくゼロに近い数値であった可能性が高いでしょう。ただ質に関してはミトコンドリア活性を中心としたカラダづくりが排卵が全くない状態から胚盤胞の受精卵や妊娠にまで至ることができたのだと考えられます。

 

まとめ

データ上のあくまで確率として言えるのは、積極的に不妊治療をして効果的な年齢は40代前半までと言えるでしょう。さらに妊娠しやすいカラダづくりを行った状態では妊娠の可能性を引き上げれると考えております。さすがに超高齢出産とよばれる50歳以上の妊娠出産は卵子提供でもない限り奇跡的なことと言えると思いますが、しっかり準備をして妊娠できる状態に身体にしていくことは自然妊娠や不妊治療問わず最優先の事ではないかと思っています。

自分自身のカラダの事や妊活プランを相談できる場所や人を持とう

これからの社会的な状況を考えると、妊娠しようとする年齢がどんどん大幅に若くなることは考えにくいですよね。さまざまな情報に振り回され不安にならないように自分のいる現在地と目標(妊娠・出産)までの客観的なアドバイスをもらえるカウンセラーが必要だと思います。最短距離で目指せるようにアドバイザーとしてこれからも努力していきたいと思っております。