不妊治療での血液検査は治療方針を決める目安の一つとなる

不妊治療をするにあたって不妊検査の中の血液検査は欠かせません。血液検査は体内の状況を知り、妊娠できる状態かどうかや不妊原因やリスクとなる
要因がないかどうかを調べます。体の状態がわかるとそれから不妊治療の方針が立てれるのです。

検査から導き出された事は?
検査から導き出された事は?

 

不妊症検査の血液検査でわかること

検査項目の主なものは以下の通り

下垂体ホルモン

  • FSH(卵胞刺激ホルモン)
  • LH(黄体形成ホルモン)
  • プロラクチン

性腺ホルモン

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

その他

  • クラミジア検査
  • 貧血
  • AMH(抗ミュラー管ホルモン)

検査項目の説明をしていきます

 

FSH(卵胞刺激ホルモン)

【働き】卵胞の発育を促すホルモン
【検査時期】月経期(生理開始3日目頃)
【検査時間】5分
【費用】保険適応可1000円前後

LH(黄体形成ホルモン)

【働き】成熟した卵子の排卵を促す
【検査時期】月経期(生理開始3日目頃)、排卵期
【検査時間】5分
【費用】保険適応1000円前後
LH/FSH比を調べることによって排卵障害を調べれます。通常では1以下ですが、1以上だと排卵障害の可能性が出てきます。
病気では多嚢胞性卵巣症候群や男性では精索静脈瘤の可能性があります。

エストロゲン(卵胞ホルモン)

【働き】子宮内膜を厚くするホルモン
【検査時期】月経期(生理開始3日目頃)、排卵期、黄体期
【検査時間】5分
【費用】保険適応可1000円前後

プロゲステロン(黄体ホルモン)

【働き】子宮内膜を着床準備させるホルモン
【検査時期】月経期(生理開始3日目頃)、黄体期
【検査時間】5分
【費用】保険適応可1000円前後

プロラクチン

【働き】乳汁分泌と排卵の抑制に働くホルモン
【検査時期】いつでも
【検査時間】5分
【費用】保険適応可1000円前後

AMH(抗ミュラー管ホルモン)

【働き】発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで卵巣年齢を知れるホルモン
【検査時期】いつでも
【検査時間】5分
【費用】自己負担で5000円前後

そしてその他の重要な血液検査

クラミジア抗体検査

【働き】現在クラミジア感染があるかどうかの抗原検査(子宮入口の頸管粘液を採取)と血液検査で過去のクラミジア感染を調べれる抗体検査があります。
現在感染していなくても過去のクラミジア感染が卵管や骨盤内の癒着を引き起こしている場合があるので血液検査でクラミジアの抗体を調べる必要が
あります。
【検査時期】いつでも
【検査時間】5分
【費用】自己負担で2000~4000円前後

過去ブログを参考にしてください⇒増え続けているクラミジア感染による不妊

貧血

【働き】貧血が不妊の原因となることがあります。肩こりや冷えの原因が貧血の場合もあります。
【検査時期】いつでも
【検査時間】5分
【費用】保険適応可1000円前後

 

ホルモンの分泌の状況から子宮・卵巣の状態がわかる

ホルモンの分泌の状態により、排卵障害の原因や黄体機能不全、高プロラクチン血症の有無などがわかります。
例えば・・・
FSH、LHがともに高値AMH低値→閉経が近くなってきている FSH、LHがともに低値→視床下部や脳下垂体に何らかの問題のある排卵障害 FSH正常LH、テストステロン、AMH高値→多嚢胞性卵巣症候群 プロラクチン高値→高プロラクチン血症による排卵障害 プロゲステロン低値→黄体機能不全 etc…

 

まとめ

不妊治療で血液検査をする目的は、機能不全や病気などの不妊の理由があるのかを調べて今後の治療方針を決めていく為に行います。 不妊治療をまだ考えていない方も妊娠を希望しているのであれば不妊検査で血液検査をすることによって今自分が妊娠しやすい状態にあるか 妊娠しにくい状態にあるかを知って対処していく事は、それだけで妊娠の可能性は高まるでしょう。

妊娠を希望されている方は、気軽にまずは受けてみてくださいね。

検査は早ければ早い方がいい

不妊検査は早ければ早い方がいいでしょう。後回しにしておく理由がありません。後から何か病気などがみつかって、もっと早くから治療すればよかった。。。なんてことの無いように不妊治療するしないに関わらず夫婦で検査は受けておきましょう。血液検査はその中の重要な役割になります。