なぜ不妊の原因が「子宮などの冷え」と言われているか?

当店にも不妊の相談で「冷え」を気にされる方は本当に多いです。ただ意外になぜ「冷え」はいけないかをきちんと知っている人はいないです。「冷え」にまつわる質問やお悩みをまとめました。

年々冷えてないですか?
年々冷えてないですか?

 

冷えと不妊が密接に関係あるワケ

この【自律神経】【免疫】【内分泌(ホルモン)】の3つのバランスがとれていることが健康
この【自律神経】【免疫】【内分泌(ホルモン)】の3つのバランスがとれていることが健康

この【自律神経】【免疫】【内分泌(ホルモン)】の3つのバランスがとれていることが健康

上記の図でわかるように私たちの健康はホメオスタシス(恒常性)と呼ばれる【自律神経】【内分泌(ホルモン)】【免疫】の3つが上手くいっている時に健康という状態になれると考えられています。この三角形では互いに影響しあい自律神経が乱れれば、ホルモンバランスも悪くなり、免疫にも影響が及ぶといった具合です。

つまり少し乱暴ですが冷え→自律神経レベルを落とし、それがホルモンに影響するので不妊に状態を招きやすいのです。

 

不妊は未病(みびょう)

不妊は病気ではありません。未病の状態であると考えています(そういう方が本当に多い)。未病とは病気ではなく病気の一歩手前の状態のことを未病といいます。すなわちホメオスタシスのバランスが乱れた状態です。その発想から不妊でなく未妊(みにん)であるという言い方もされています。

妊娠は本能です。ただ本来の「妊娠するという力が発揮できるコンディデョンでない」もしくは、「妊娠できる準備が整っていない」ことを未妊と呼んでいます。

現在の検査では原因のわからない不妊の多くはホメオスタシスの乱れが関わっています。体内環境が命が芽吹きやすい土壌でないのかもしれません。

 

子宮は冷えている

実際には子宮は体内の深部にあり冷えに強い臓器のはずです。ただ不妊相談をしていると「お腹が冷えている」と言われる方も少なくないのです。

実際の冷え性と低体温が違うように、例えばサーモグラフィなどでの低温感覚としての冷えは違うように思います。

私は感覚としての冷え自律神経の乱れのサインだと考えています。

以前は冷えていなかった部分(例えばお腹や手足)が冷えるようになって違和感を感じるという事は、カラダが「以前とは違ってきているから良くしてほしい」といっているのです。この段階での対処が一番よくなるのも早いですね。

 

足首が冷えると子宮が冷える

三陰交は有名なツボで特に重要ですよ♪
三陰交は有名なツボで特に重要ですよ♪

三陰交は有名なツボで特に重要ですよ♪

足首には三陰交(さんいんこう)という子宮のツボがあり、漢方の経絡上は妊活のためには絶対に三陰交は冷やしてはいけないと言われます。

なぜなら経絡で子宮に繋がっており子宮が冷えて固くなります(子宮は筋肉でできており冷えると固くなる)。赤ちゃんが「十月十日居たい」と思える子宮になれないかもしれません。

実際に西洋医学的でも東京女子医大で十数名の妊婦さんの三陰交にお灸をしたところ、全員の子宮動脈の血流が上がったとのことで、三陰交には子宮の働きや機能を改善する働きがあることがわかっています。ぜひ冷やさないようにしましょう。

 

冷えを確かめるには手首と足首の温度の違い

実際に冷えているかどうかは触って確かめてみることでわかる場合も多いです。実際に冷えを自覚している人は、手足が冷えるなどの訴えがあります。
自覚がない人でも「足先」「足首」「太もも」「おへその下(子宮)」など素肌に触ってみて分かるときがあります。手の温度とどう違うか確かめてみましょう。基本的には冷え性の方は下半身の人が冷えやすいので確認しておきましょう。

 

基礎体温と冷えとの関係をチェックする

基礎体温では低体温ではないか?(低体温が35℃台でないか)や、どういった一日を過ごすと基礎体温が変わり体温と関係するのか?(例えばストレスがかかると体温が下がります)、また全体として冷えから黄体機能不全(高温期が短いなど)を見ることができます。
低温期は卵胞が育つ最終の総仕上げ期間です。余分な冷えから成長効率を落とさないため基本的には体温以下の飲食は避けましょう。

このように現状把握にも、妊娠しやすいカラダ作り(妊活)にも使えるのです。

 

まとめ

本当に冷えと不妊の密接な関係は現代人にとって重要です。健康はホメオスタシスという免疫・自律神経・ホルモンの3つの相関図を維持することで成り立ちます。
実際にはこのホメオスタシスの機能を維持できていない状態の方が多く、中でも現代人の一番多い問題が「冷え」で、それによりホメオスタシスが崩れているのです。

冷えは自律神経を乱し、免疫やホルモンを乱していくという事です。妊娠力を上げるという事は冷えを克服ホルモンのバランス免疫力の向上をも視野に入れていくという事がお分かりいただけると思います。

冷えると卵子の生育が遅くなります

冷蔵庫の4℃の飲み物を飲んでも、排泄される尿の温度は36~37℃で出てきます。つまり、少し乱暴ですが体内での代謝や合成、排泄の機能が36~37℃で働くようになっている限り、私たちの体はどんなに冷えても36~37℃に維持していきます。このエネルギーを維持することは現代では大変な作業でしょう。体内にレンジがあるわけではないので、4℃の飲み物を36~37℃に「体温」で温める作業になります。人間のエネルギーは限りがあります。余分なエネルギーロス(冷えたものを温める)がなければ、卵子や精子などの次世代のためにエネルギーがまわせるはずだったのに。。。と思う事がよくあります。ちょっとした気遣いで大きく体は変わってくるんですよ。