体外受精が自然妊娠より流産確率が高い理由

「体外受精の場合は流産しやすいのでしょうか?」こんな質問をカウンセリング中にいただく事があります。全体としての自然妊娠の流産率は15%体外受精の流産率は20%というデータが発表されています。

こんな話を目にすると不安になりますよね。今回はこのデータを解説していきますね。


データを比較する場合には条件が違う可能性があることも知っておきましょう

 

体外受精は自然妊娠よりも流産率が高くなって当然

「体外受精の方が流産率が高い」この話をちゃんと考えてみましょう。

実は体外受精が流産率が高くなるのは仕方ない事で、なおかつ当たり前といえるのです。

体外受精での不妊治療開始年齢が高齢であるため
ホルモン値で妊娠を判定するため

日本産婦人科学会によると、年齢別の流産率は

  • 25-30歳:10~20%
  • 35歳:22~23%
  • 40歳:33~35%
  • 45歳:50~60%

となっています。

このように流産率は年齢が上がるほど高くなっています。

そのことを踏まえると体外受精を受ける患者さんの中心は30代、40代が中心です。
体外受精という技術が問題ではなく

「体外受精で不妊治療を受ける患者の年齢が高いため」

というのが実際の正解です。

またこれも不妊治療をしていると考えなければいけないのが
自然妊娠ならわからない化学流産までわかってしまうという事です。

実は妊娠初期のころには、気づかないうちに流産している事があります。
この妊娠超初期の流産の事を化学流産といい、一時的に妊娠反応が陽性になりますが超音波検査で胎嚢を確認する前に流産してしまいます。

女性は生理が遅れたと思っていて実は流産ということはよくある事なんです。

ただホルモン検査では化学流産する前にも妊娠反応に陽性がでるので、この一過性の妊娠に気づいてしまうのです。

ただこの化学流産は、そもそも染色体に問題があるため自然淘汰するという非常に重要な役目があるのです。

つまり化学流産のようなごく初期の流産さえも妊娠判定がなされてしまうため体外受精では妊娠率が上がるといわれています。

つまり体外受精の流産率を上げているのは、体外受精をしたからではなく

「体外受精を受ける年齢が高いため」

化学流産を検知してしまうホルモン検査のため
です。

 

流産の原因は「染色体異常」が主な理由

先ほど化学流産は珍しいことではなくよくある事だと言いましたが、化学流産を含めて妊娠初期(12週までに)におこる流産が全体の流産の多くをしめますが原因のほとんどは受精卵の染色体の問題です。

高齢になると卵子の染色体の異常が多くなります。赤ちゃん自体の染色体も異常になりますがその場合はダウン症以外の染色体異常の多くは流産するのです。そのために高齢であればあるほど流産率が高くなります。

流産の原因は染色体異常で、その染色体異常の主な原因は「年齢」という事です。

 

「妊娠しやすい身体づくり」は流産を防ぐ手立てとなる

妊娠しやすい身体づくりといっても特別な事ではなく、まずは基本的なことを当たり前のようにできる環境や習慣をつくる事です。睡眠不足を防いだり、適度な運動を取り入れたり。。。当たり前ですが意外とできていない人も多いでしょう。

  • 体を冷やさない(体温以下の飲食を気をつける)
  • タバコに近づかない
  • ビタミンEを摂る
  • 適度な運動(激しい運動は避ける)
  • 過労や睡眠不足を避ける(11時までに寝る)
  • ストレスをため込まない

当店は漢方を使っての「妊娠しやすい身体づく」りをお勧めしておりますが、漢方を使うと自力だけでやる身体づくりよりも効率がよく身体をよりよく変えていけると考えています。

日常的な習慣を変えたり食習慣をより健康的なものに変えるという事は重要ですが、効果を実感しにくい場合もあるでしょう。
やはり時間がかかるものです。

それを漢方を使って加速させていくというイメージはとても多忙でなおかつ妊娠するまでの時間を気にしている妊活世代にとっては有用な事だと思います。

また日常生活を変えるという事も難しい状況もあるでしょう。
そういう時も、完璧を目指すのではなくうまくいかない点を漢方で補うといったような事にもできると思います。

便利に使えますので当店では多くの方が漢方を取り入れて妊活しております。

 

まとめ

数字やデータに関しては、なかなか比較が難しかったりする場合があります。ただこの数字やデータは不安を感じるためにあるわけではなく、何か方針を決めるときに使うだけです。

あなたが目にするデータはあなたの自身の数字や確率ではありません。数字やデータを味方につけるには、方針はデータで決めるのだけども自分自身は数字やデータと切り離して考えるというイメージを持っておくようにしましょうね。

採卵に持っていく事!

40歳をこえている場合、不妊治療をしているなら「採卵ができる事」が本当に重要です。FSHが高かろうとAMHが低かろうと採卵できた卵の質はそれによらない印象があります。逆に本当にダメな場合はどんなに病院で排卵誘発剤をうっても育ちません。いつも考えておかないといけないのは卵を育つ環境をつくっていく事を忘れないようにすることです。