流産と不妊には明確な関係はないが精神面のケアが重要

流産を経験することは、喜びから一転、女性の心を悲しみのどん底まで落としてしまう事かもしれません。不妊期間があった方ならなおさらだと思います。「流産」とは妊娠初期から22週未満までに妊娠が継続できなくなる事と言いますが、実際には胎盤が作られる12週までに起こる場合がほとんどです。悲しい事ではありますが、流産について正しく理解する事が重要です。まとめてみました。

辛い感情に押し流されそうな時は、冷静な専門の第三者のデータや意見が役立つ
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ほとんどの流産は受精卵の染色体異常でおきる

流産は悲しく辛いことではありますが、実際にはなくてはいけない命のシステムだとも考えられています。染色体異常や先天性の疾患などが発生した時に流産という形で胎児の方から命のステージから降りると言われています。

 

全体の約15%に流産は起こります

そしてそのほとんどは妊娠初期と呼ばれる次期(12週までに)起こります。8人に1人は初期の流産を経験します。胎児の心拍が確認される妊娠6週以降では流産する確率は5%以下に下がると言われており、それまでの超初期の流産が起こりやすい事がわかっています。
高齢では一気に流産の確率が上がってきます。それは仕方のない事ですが、受精卵の染色体の異常が高齢により起きやすいからに他なりません。
初期の場合では、生理が遅れたと思っていて実は気づかない内に流産ということは珍しくない(化学的流産)という事も知っておきましょう。流産をすると妊婦さんは自分を責めてしまいますが、初期流産の原因はほぼ受精卵の染色体の問題です。

 

不妊だから流産しやすいということはない

流産は不妊に悩んでなくてもごくごく当たり前に起きるものです。ただ流産は精神面に影響が心配されます。次の妊娠に対して不安感が出てしまい、前向きに次の妊娠に向き合えないこともありえます。流産は「自然淘汰」ともいわれます。自然界の正しいシステムの一つだと理解する必要があります。
最初の妊娠が初期流産に終わってしまった場合、次回の妊娠も流産になってしまう確率が高くなるわけではありません。流産になっても、あえていうなら妊娠できる力や環境が自身の身体にあったという事は確かです。流産後は1~2か月後には生理が再開しますのでぜひ新たな妊娠を試みましょう。流産後は妊娠しやすいと言われることもある理由です。
それ以降の不妊の判定に関しては、生理が再開してタイミングを合わせて1年間妊娠がない場合には、年齢にもよりますが不妊検査がまだの場合は検査することをお勧めいたします。

 

繰り返し流産する場合

連続して3回以上繰り返す場合を「習慣性流産」といいます。一度でも辛い経験なのに連続となれば不安感も大きい事でしょう。基本的には初期流産の原因はほとんど受精卵や胎児側だと言われていますが、繰り返すようなら話は違ってきます。偶然が重なったりする場合もありえますが、妊娠が維持できない原因が母体にある可能性も考えていく必要があります。自己免疫異常などの可能性もあり、受精卵を異物として免疫が判断し排除してしまうため、検査が必要です。

 

流産や不妊の原因は検査でもわからないことが多い

流産や不妊の原因に関しては偶然が重なることもありますし、産婦人科や不妊クリニックで原因が特定されることもありますが、わからないことが多いのもまた事実です。おそらく理由はあるのですが、現在の検査では判断できないという事です。
夫婦がしっかり不妊検査をしても、わかる理由は50%とも言われることがあります。半分は不明なのです。ですので、なおさら自分の身体の妊娠しやすい環境を整える事や卵子や精子の質をより良くしていく事がすべての段階でどんな方にもお勧めできるのです。

 

漢方による体質改善で流産しにくい身体づくりを

母体側の妊娠する準備が整っていないということを指摘する医師もいます。自己免疫が受精卵に反応する場合も、受精卵や赤ちゃんにとって居心地がよくない子宮環境である場合も「妊娠する準備が整っていない」という言い方が当てはまります。体内の環境は自身で変えていける部分も大きく漢方でそのスピードや効率を上げていけるというのが実感です。不妊治療だけでなく妊活を併用するという事は、妊娠してからの妊娠を維持する力にもかかわってきます。
また夫の喫煙は妻の流産率を2倍上げてしまうという事も知っておきましょう。
生活習慣を含め、特に高齢であればより手厚く身体づくりしていきましょう。

 

まとめ

流産の一番の問題は精神的な不安感が強くなることかもしれません。夫婦の心の傷や夫婦生活にも影響が出る可能性もありえます。そういう時に医学的な意見を考えて感情をコントロールする必要があると私は考えています。
そのために心と身体の両方の側面からサポートできる漢方も非常に有効な手段だと思います。相談をする事(カウンセリング)自体が流産を防ぐというデータもあります。それぐらい女性にとって話をする場所は精神面の安定に重要なのでしょう。
ただ誰にでも話せる話ではないので、ぜひお一人でお悩みにならないようにご相談ください。

夫婦二人できてください

流産を経験してやっと少し前向きになった妻が、夫から「流産して悲しむ姿をもう見たくない」という気持ちを言われて悩んでいる。。。子供は欲しいけど怖い、夫にとってはまず気遣うのは今いない子供より奥様を心配するお声をいただく事が多いです。夫婦でお互いの気持ちを確認できる場所としてカウンセリングを使っていただければありがたいとも思います。