葉酸は妊娠中の胎児の成長に効果のある栄養素の一つ

葉酸って妊娠したい人や妊娠中には摂った方が良いという事で有名な栄養素ですよね。ただこれって結局何で摂るとどういうメリットがあるのかをまとめておきますね。

野菜から葉酸って摂れますか?
野菜から葉酸って摂れますか?

 

そもそも葉酸はビタミンの一種

葉酸はビタミンの一種たんぱく質や核酸(DNAやRNAといった遺伝情報の保存庫)の合成に必要とされ、体の発育に重要な栄養素です。ホウレン草から発見されたので葉酸と名づけられ、赤血球の生産にも関わることから不足すると貧血になることもあります。
体内に蓄えることができない水溶性のビタミンなので毎日の摂取が必要です。そのため通常の食事に加えてさらに妊娠を望んでいる女性一日400㎍妊娠初期(4~12週)にかけては一日440㎍の葉酸を摂取することが神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させると言われています。
食事では緑黄色野菜や果物に多く含まれていますが、効率よく摂取するためにサプリメントなどで補う事も勧められている栄養素です。
アメリカのアニメでポパイがほうれん草で強くなるイメージはそんなところから来たのかもしれませんね。

 

妊娠中・妊娠前から葉酸摂取が必要とされている理由

胎児の細胞分裂が特に盛んな妊娠初期(4~12週)に関しては、先天性の疾患(特に神経管閉鎖障害、多くは二分脊椎症)を招く危険があると言われております。葉酸は水溶性のため過剰摂取しても尿に排泄されるので、そこまで過剰での健康被害に関してはあまり問題にならないでしょう。
一応一日当たり1000㎍以上の摂取は過剰だと言われていますので、サプリメントを使用する場合は目安の量を守りましょう。
それよりもむしろ特に妊娠初期では胎児の葉酸消費量が増加する(細胞分裂が盛んなため)ため不足が起こり得ることを心配する声が多いです。胎児だけでなくママの健康のためにも十分な摂取があった方が良いでしょう。
妊娠初期に特に重要なので妊娠前からの摂取が推奨されています。

 

妊娠初期のリスクが高い神経管閉鎖障害について

神経管といわれる脳や脊髄などの中枢神経のもとになる細胞集合体のことです。ここが特に妊娠初期で細胞分裂が盛んにおこなわれ脳や脊髄をつくっていくのです。
神経管の下の部分の問題が起きた場合は下半身の運動障害や排泄機能に障害が起こる可能性があることがあり、上の部分で問題が起きた場合は、脳がつくられなかったりして流産や死産のリスクが上がるとされています。
そうした発症リスクを下げるために葉酸が注目されています。

 

葉酸を多く含む食材は「色の濃い野菜や豆類」

葉酸を多く含む食べ物は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜(色が濃いもの)が有名です。またレバーや豆類など日常的な食べ物に入っているので、素材から料理をつくってバランスの良い料理している方にとってはそれほど心配しなくてもよい栄養素だと私は考えていますが、最近では加工食品や外食を多用する方が多くなっており葉酸不足が心配されています。
なぜなら葉酸は水溶性のために熱や水で壊れたり流出したりしてしまいます。
下ゆで処理などが過剰である可能性の高い加工食品や外食では不足する可能性があるのです。

忙しい方が多くなってきたのだと思います。

葉酸の多い野菜(100g中)

  • 枝豆      260㎍
  • アスパラガス  180㎍
  • ブロッコリー  120㎍
  • ほうれん草   110㎍
  • オクラ     110㎍
  • アボカド    84㎍

ここから加工や調理で葉酸は失われるようです。。。

葉酸の多い肉・魚(100g中)

  • 鶏レバー    1300㎍
  • 牛レバー    1000㎍
  • 豚レバー    810㎍
  • うに      360㎍
  • いくら     100㎍

レバーはビタミンAが多く妊婦は過剰になるのを防ぐ必要があるのでご注意ください。

過去ブログもご参考ください⇒妊娠初期で摂りたい栄養素と避けたい栄養素

 

不妊にも葉酸は意識して摂取する

葉酸はDNAの合成を助けてくれる栄養素です。受精卵の着床にも関係していると最近言われてきています。必要量を摂取することは不妊を良くすることというよりも、妊娠出産に望むスタートラインに立つという意味で大事でしょう。
当店でも妊活中や不妊治療の方で葉酸のサプリメントを飲まれている方も多いです。
細胞分裂やDNAの合成に必要な葉酸なので、流産やダウン症などの染色体異常とも関係があるという研究報告もあります。
もちろん質を選ばないといけないと思いますがサプリメントを使用して補給する事も良い方法だと思います。

 

東尾理子さんが絶賛している葉酸を含むサプリ

40歳で第二子を授かった東尾理子さんも飲んでいるサプリをブログで公開していました。芸能人でもあるので、コマーシャルという一環は当然あるとは思いますが東尾さんが飲まれていたのは葉酸サプリというよりはマルチビタミン・ミネラルのサプリで葉酸も必要量400㎍入っているといったものでした。
私の想像ですが、高齢出産という事でリスクを様々考えた時に自分自身でできる事の中に葉酸の摂取していくという認識からだと思います。
葉酸は「よりあったらいいもの」ではなく「不足するとまずいもの」という感じです。
妊娠する準備(妊活)として食事や栄養素を考える事は、赤ちゃんや自分自身のために必要なことですよね。

 

葉酸サプリは食事がしっかり摂れた上で必要と考える

厚生労働省からサプリメントを使用してもいいから毎日葉酸を摂取しましょうというような呼びかけがされています。国としてこういうことは珍しいと思います。まあ、それぐらい葉酸の不足が胎児に与える影響を無視できないという事だと思われます。

ただこれはあくまできちんとした食事の上でという意味です。妊娠出産や胎児の健康に必要なのが葉酸だけではありませんので、バランスの良い食事はかかせません。

 

まとめ

本文中でも書きましたが、葉酸はあったら良いものというよりも無ければまずいものという認識が正しいのではないでしょうか。人によってはサプリメントなどを活用して補給することが望まれる人もいるでしょう。ただ妊娠出産や胎児に葉酸だけが必要というわけではありません
葉酸も体内で葉酸だけで働くわけでもないでしょう。
様々な栄養素の中で妊娠初期の胎児の健康に葉酸が注目されているのは事実ですが、ある栄養素を考えた時にサプリだけで終わらすのではなく、食事に関しても見直す良い機会にしていきましょうね。

葉酸の必要性から見えてくること

葉酸って不妊の人に関しては有名ですよね。ただ妊娠に必要な栄養素ではなくて、たんぱく質やDNAの合成に必要という事は普段から私たちの健康に重要な事がわかります。改めて妊娠の事を考えて日々の口から入る私たちの体をつくる食事の重要性を考えるキッカケにしていただければと思っています。